内容説明
OECDが行う国際的な学力調査―PISA調査―がはじまって約20年が経過した。日本が国際ランキングを大きく落とした2003年の結果(「PISAショック」)など、この調査結果はわが国の教育政策にも様々な影響を及ぼしてきた。では、PISA調査が明らかにしている「学力」とは一体何を意味するものなのだろうか?本書は、PISA調査の調査方法それ自体を検証することでこの問いに迫ろうとする。標本抽出の方法や項目反応理論、母集団モデルなど緻密に計算されたPISA調査全体の「設計図」を描く試みは類書にない。この「設計図」は、延いてはわが国で行う学力調査に応用可能な調査モデルとなるだろう。
目次
1 PISA調査と日本の学力調査
2 大規模教育調査のための標本抽出
3 標本誤差の計算
4 能力測定における項目反応理論の利用
5 能力調査における項目反応モデルと母集団モデル
6 能力調査の分析
著者等紹介
袰岩晶[ホロイワアキラ]
国立教育政策研究所総括研究官。1970年生まれ。大分県出身。早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程等を経て、2010年より国立教育政策研究所。OECD‐PISA2009年調査から同研究所内プロジェクト・チームに参加。2015年から文部科学省情報活用能力調査の協力者会議、企画推進委員会等の委員として同調査に関わる
篠原真子[シノハラマサコ]
国立教育政策研究所総括研究官。1963年生まれ。秋田県出身。筑波大学大学院博士課程教育学研究科、同教育学系助手の後、文部省においてOECD事業を担当。2001年より国立教育政策研究所。第1回目のOECD‐PISA2000年調査から同研究所所内プロジェクト・チームに参加(2013年まで)。2014年から文部科学省情報教育調査官として情報活用能力調査に関わる
篠原康正[シノハラヤスマサ]
元文部科学省外国調査官(2000~2017年)。1956年生まれ。静岡県出身。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て、1995年より文部省。イギリスを中心とした諸外国の教育動向・制度・政策分析に携わるとともに、PISAを含むOECD教育統計関連事業の報告書の翻訳、解説などを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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