内容説明
近年、多くのスキャンダルが取り沙汰され、しばしばメディアや世論の標的となっている印象をぬぐえない文科省ではあるが、果たしてどれだけの人がこの組織の実態を理解しているのだろうか?本書は、幹部職員に対する初となるサーベイ、文科省と官邸・他省庁・地方自治体関係、庁舎内の部署配置・執務室内の座席配置分析といった行政学的分析を通じて、文部省/科技庁の統合後の変容も含めた、中央省庁の一翼としての文科省の組織構造を明らかにする。文科省研究の先駆的一冊であり、かつ日本の教育改革をめぐる構造的問題を解明した気鋭の共同研究。
目次
第1章 官僚制研究に文部科学省を位置づける
第2章 サーベイにみる文部科学省官僚の認識と行動
第3章 文部科学省の格差是正志向と地方自治観
第4章 組織間関係からみた文部科学省―「三流官庁」論・再考
第5章 文部科学省と官邸権力
第6章 配置図からみる文部科学省統合の実相
第7章 旧科学技術庁の省庁再編後の行方―「総合調整」から「司令塔」への進化?
第8章 文部科学省設置後の幹部職員省内人事と地方出向人事の変容
英文要旨
著者等紹介
青木栄一[アオキエイイチ]
東北大学大学院教育学研究科・准教授(教育行政学)。1973年千葉県生まれ。2002年東京大学大学院教育学研究科修了、博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kenji Suzuya
3
文部科学省の官僚に対するサーベイ調査をもとにした研究。そこから見えるのは、財務省に対抗する実力に欠けると自己認識をし、与党族議員との蜜月を所与とする全体的な傾向と、特に旧文部系については専門的知識や現場の知見を重視しない意志決定のあり方である。説明能力の弱さを族議員の力で補うのが常態化し、自ら専門性と説明力を身に付けることは眼中からなくなってしまったのか。また、省庁統合という観点からは、官房三課での座席配置をもとに、旧文部省と旧科学技術庁の統合(ないし割拠)の実態も触れられている。2019/07/07
JO
2
文科省官僚へのサーベイや、組織間関係、配席図から、文科省官僚の行動原理などを論じていて、面白かった。2025/11/04
中将(予備役)
1
サーベイ調査を用いた文科官僚の組織や行動原理の研究。2, 4-6章あたりが目を引いた。本文が断るとおり、「解剖」と言いつつ、他府省への調査は20年近く前なため解明できない点が多い。2章によれば文科官僚は行政裁量を減らすべきでないと考え、裁量行使の基準には国益を挙げる者が多く専門知識を挙げる者は極めて少ない(専門知識は審議会に期待している)。さすが文科省と悪い意味で思った。3章の地域格差是正を重視するか否かを地方への関与介入に直結させる立論は、素人目には適切か疑問がある。2026/03/02
くつ
0
第5章の接触頻度が、局長が多く官邸アクターが少ないのは当然であり、どこの省庁も同様と思われるが。2020/01/06
-
- 電子書籍
- HUGっと!プリキュア プリキュアコレ…




