内容説明
“教育”の目的や意味というものは、社会の歴史的・地域的文脈や、政治経済のあり様と常に連接するという点において、流動的である。教育哲学は、そうした社会情勢に応じた教育(概念)を常に探求・再構成することによって、実践や政策としての「教育」へと働きかけ続けなければならないという責務を担っている。本書は、今日における教育哲学の概念、国家との関係性、教育実践との連携などを再考することによって、現代教育(学)の意味を再構成する。
目次
第1部 教育と教育学の編み直しに向かう教育哲学(教育学とはいかなるディシプリンなのか―「人間の主体化」という言説をめぐって;「教育」を問う―大学にとって「教育」とは何か;福祉の精神からの「教育」の誕生―メディアとしての教具はモンテッソーリの思想に何をもたらしたか)
第2部 歴史を捉え未来を展望する教育哲学(日本の教育思想における世界市民形成の水脈―世界市民形成論序説;国民国家と日本の教育・教育学―変容の中の展望;記憶の制度としての教育―メモリー・ペダゴジーの方へ;「国家と教育」における「政治的なるもの」の位置価―教育に政治を再導入するために)
第3部 教育の実践と技術と格闘する教育哲学(実践の表象から自己の省察へ―教育哲学と教育実践、その関係性の転換;教育における技術への問いとパトスへの問い―もろい部分にたつ教育哲学へ)
著者等紹介
森田尚人[モリタヒサト]
1944年生まれ。学歴:東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、修士(教育学)。現職:元中央大学教授。専攻:教育思想史
松浦良充[マツウラヨシミツ]
1958年生まれ。学歴:国際基督教大学大学院教育学研究科博士後期課程博士学位候補資格取得、在学要件満了後退学。現職:慶應義塾大学文学部教授。専攻:比較大学史・大学論、高等教育思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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