内容説明
19世紀後半のアメリカでは、従来は神の代理として学校教育を管理していた教師の権威が、子どもの自主性を尊重する新教育運動との邂逅によって大きな変容を見せた。本書は、アメリカが新教育の理念を実現させようとした試みについて、19世紀から20世紀にわたる学校建築構造“空間”と授業時間割編成“時間”の変遷から捉え、学校の秩序を維持するという教師の権威が徐々に解体され、子ども中心の教育思想が学校教育に浸透していくプロセスを明らかにする。また、日本における授業時間割編成原理の展開が論じられる付章により、同じく新教育運動の影響を受けたわが国との対比としても示唆的な一冊である。
目次
空間と時間の教育史へ
第1部 アメリカにおける学校空間の構成原理(進歩主義教育運動における学校建築思想の転換―教師中心の教場から子ども中心の学習環境へ;学校建築における講堂の出現と変貌;教育環境としての校舎の発見―アリス・バロウズの学校建築思想;工場モデルから家庭モデルへ―エンゲルハートの学校建築思想)
第2部 アメリカにおける授業時間割の編成原理(コモン・スクール成立期の時間割―神の代理としての教師;工業化時代の時間割―管理の対象としての教師;新教育運動期における時間割の弾力化―教師の権威と専門性;新教育運動期における空間構成論と時間編成論の転換―子ども中心と教師の権威と専門性)
日本における授業時間割編成原理の展開
著者等紹介
宮本健市郎[ミヤモトケンイチロウ]
1956年福岡県生まれ。1987年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。1990年兵庫教育大学学校教育学部講師。1993年兵庫教育大学学校教育学部助教授。2005年神戸女子大学文学部教授。2009年関西学院大学教育学部教授。横浜国立大学、京都大学、名古屋大学、神戸親和女子大学などで非常勤講師を務める。フルブライト研究員(1995‐96年、インディアナ大学ブルーミントン校)。専門は教育学、教育史、教育方法史、とくにアメリカ教育史。京都大学博士(教育学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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