内容説明
利用と保全のバランスをめぐる合意形成のケース・スタディ。産業資源として利活用されるべきか、それとも貴重な自然として保全されるべきか。森林資源管理をめぐるこの二項対立の克服には、行政や地域住民をはじめとした多様なステークホルダーたちによる討議を通していかに両者の合意に導くかがカギとなるだろう。世界自然遺産登録を目指す沖縄「やんばるの森」の管理計画「国頭村森林地域ゾーニング計画」の策定プロセスおよび著者自身の実務経験を通して、この計画が様々な利害関係を乗り越え社会的合意形成を導くに至った実践と論理を明らかにした。
目次
第1部 森林の保全と利活用における合意形成の課題(森林管理の歴史;国頭村の森林資源;やんばるの森の保全と利活用;森林資源管理に関する合意形成)
第2部 「国頭村森林地域ゾーニング計画」策定事業における合意形成マネジメント(策定事業及びプロジェクト・マネジメントの概要;「国頭村森林地域ゾーニング計画」の内容;「ゆるやかなゾーニング」と「自然再生」;「国頭村森林地域ゾーニング計画」の意義)
第3部 世界自然遺産登録に向けて(やんばる国頭村の持続可能な森林資源管理の課題)
著者等紹介
谷口恭子[タニグチヤスコ]
多様性デザイン研究所代表。NPO法人国頭ツーリズム協会事業部門。国頭村森林組合環境部門アドバイザー。一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ国頭支部上席研究員。山口県生まれ。1993年、九州大学理学部生物学科(生態学)修了。日本工営株式会社環境部門技師を経て、2008年、立教大学大学院異文化コミュニケーション専攻(環境教育)修士課程修了。特定非営利活動法人国頭ツーリズム協会事務局長等を経て、2013年、東京工業大学社会理工学研究科価値システム専攻博士後期課程単位取得退学。2015年、学位取得。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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