内容説明
ラテンアメリカで異彩を放つペルー民衆教育の実像!1970年代、多くのラテンアメリカ軍事政権が左派勢力を弾圧する一方、ペルーでは左翼系思想・運動を一部許容した結果、様々な不満を抱えた貧困層たちによる社会運動が活発化した。中でも民衆教育運動は、80年代の民主化や学校教育制度との邂逅などの変動を経ながらも時代ごとの社会公正を常に求め、活動してきたという点で、今日のペルーを形づくってきたと言える。抑圧の中から誕生した民衆による教育運動の展開および同時代の社会との関係性を多角的視野から分析した比較教育学研究。
目次
第1章 ラテンアメリカにおける民衆教育の形成
第2章 1990年代以降のラテンアメリカ民衆教育のパラダイム―CEAALを中心に
第3章 ペルーにおける民衆教育と教育政策、市民社会
第4章 ペルーの共同体教育政策から見る民衆教育の限界
第5章 ペルーの働く子どもの運動マントックと民衆教育
第6章 ペルーでのカトリック系国際NGOフェ・イ・アレグリアの民衆教育
終章 民衆教育の現代的意味
著者等紹介
工藤瞳[クドウヒトミ]
1986年生まれ。京都大学教育学部卒業。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(教育学)。比較教育学専攻。日本学術振興会特別研究員(DC1)、同(PD)などを経て、現在、専修大学ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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