内容説明
先住民族に対する抑圧/権利保護政策をめぐる本格的な実証研究―北欧サーミとアイヌの比較から見えてくるものとは?サーミやアイヌなど多くの先住民族は近代化に際して同化や抑圧の対象となったが、特に1980年代以降、その権利保護政策が進められている。ノルウェー、スウェーデン、フィンランドにまたがって居住しているため異なる政策の影響を被るサーミは、どのように国民国家という枠組みに対抗し、活動してきたのか。サーミをめぐる現状と課題を論じる本書は、第2巻のアイヌの記述と併せて読むことでさらに、先住民族の権利をめぐる問題が決して一枚岩ではない、奥深い問題であることが分かるだろう。
目次
第1部 本書の課題と北欧サーミの概況(先住民族の復権をめぐる現状と課題;北欧サーミの概況と歴史)
第2部 サーミ社会の機構・組織の形成と展開(北欧3国のサーミ議会―現状と課題;フィンマルクにおける土地管理の現状 ほか)
第3部 サーミの生活・意識と教育(スウェーデン・サーミの生活実態とエスニック・アイデンティティ;就学前教育と言語の巣 ほか)
第4部 結論(北欧サーミの復権の現状と意義)
著者等紹介
小内透[オナイトオル]
1955年群馬県生まれ。1984年北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。北海道大学大学院教育学研究院教授(博士・教育学)。北海道大学アイヌ・先住民研究センター兼務教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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