内容説明
ヨーロッパを中心とした世界的な移民排斥運動が活発化する一方、カナダでは国民の20%を超える移民が暮らし、イヌイットなどの先住民も包摂した多文化主義政策が国際的にも高い評価を得ている。それは、ネイティブや移民を問わず高い教育水準を維持し、様々なバックグラウンドを持つ者たちの「共生」をもたらしてきたカナダ独自の多文化教育政策の貢献によるところが大きいことは言うまでもない。こうしたカナダの多文化教育の実態を理論・制度・政策・実践という多角的視座から分析し、その特徴と本質を描き出す本書は、移民に対するあらゆる制度改革に消極的なわが国にも重大な示唆を与える、まさに時宜を得た研究である。
目次
序章 多様性と向きあうカナダの学校
第1章 カナダの移民の子どもの社会統合
第2章 オンタリオ州の多文化教育政策の発展と変容
第3章 英語の指導が必要な子どもへの支援
第4章 マイノリティ言語による多文化教育
第5章 学校設置による子どもの多様性への対応
第6章 カナダの教員と多様性
終章 多文化社会カナダから学ぶこと
著者等紹介
児玉奈々[コダマナナ]
1974年、大阪府生まれ。1997年、早稲田大学教育学部卒業。McGill University(カナダ・マギル大学)大学院留学、早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了。2003年、早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程修了、博士(教育学)。日本学術振興会特別研究員(DC、PD)、鹿児島純心女子大学専任講師を経て、2008年、滋賀大学国際センター准教授。現在、滋賀大学教育学系教授。専攻は、比較教育学、国際教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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