内容説明
「女性活躍推進法」などの安倍政権が掲げる成長戦略の一つ「女性活躍社会」。果たして近年中にどこまで実現できるだろうか?たとえば大学院に進学する女性と、女性の大学教員の比率を比べると、日本は極端に教員の方が少なく、OECD各国の中でも最低レベルであり、この差を埋めるのは容易ではない。本書は、国家主導の実効的な女性政策により、女性教員数を一貫して増加させているなど、カナダの実態を詳細に示し、同じく国家主導の日本に大きく示唆する、まさに時宜を得た研究である。
目次
序章 本研究の課題と方法(本研究の課題と対象;先行研究の検討と方法)
第1章 「女性の地位に関する政府調査委員会」による政策形成―教育へのアクセスを求めて(カナダの大学と女性―歴史的展望;「女性の地位に関する政府調査委員会」;教育へのアクセスを求めて―「女性の地位」に関する大学の対応)
第2章 「雇用公平法」と大学―研究職へのアクセスを求めて(雇用公平法成立までの背景;雇用公平法の成立と改正―連邦契約事業者プログラム(FCP)
雇用公平法に対する大学の取組)
第3章 両立支援政策と大学―ワーク・ライフ・バランスを求めて(カナダの両立支援政策;大学の両立支援事業;ケベック州の政策と大学の取組)
終章 総括と今後の研究課題
著者等紹介
犬塚典子[イヌズカノリコ]
慶應義塾大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(教育学)。2004年東北大学大学院法学研究科COE研究員。2007年九州大学女性研究者支援室特任准教授。2010年京都大学女性研究者支援センター特任教授。現在、京都聖母女学院短期大学教授。専攻、教育学、社会学、公共政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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