内容説明
人が生きることに随伴して生起し続ける感情―喜び、希望、苦悩、恐怖等が、人間の経験総体においてどのような位置を占めるか、多様なエピソードを用いつつ活写。体の感覚、物象の知覚という経験のエレメントに想像が加わって意味世界が形成されるが、各自が個々に懐く感情はさまざまな意味事象が孕む価値を感受する際の反響である。感情と、言葉、評価、自由、意志等との関係をも鮮明に描き出した、「人が生きること」の動的構造解明のリアリティ。
目次
第1章 「精神」という概念について(1)―「精神医学と価値の問題」を契機として
第2章 「精神」という概念について(2)―「精神が自由である」という事態の実質は何か
第3章 自己像―意味世界を生きる
第4章 言葉と価値―意味世界は価値世界である
第5章 感情と言葉
第6章 感情と意味世界―感情に関して「適切さ」を言うとはどういうことか、を切り口に
著者等紹介
松永澄夫[マツナガスミオ]
立正大学教授、東京大学名誉教授。1947年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科中退。『哲学の歴史』全12巻、別冊1巻、中央公論新社2007年別冊「インタビュー」、2008年(編集委員として、第62回毎日出版文化賞特別賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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