内容説明
戦後教育界における改革・試行の経緯は、その多くが当初の目的に反して次第に矮小化し、さらに全社会的な構造変動に翻弄された教育現場は、萎縮して自主性を発揮することなく、総じて曖昧なまま主体的ベクトルを喪失しているのではないか。こうした「決着なき決着」の行く手を憂い、政・官・財の「教育」トライアングル剔抉に迫った本書は、教育界の実態追究を通じ我々の奮起を促す警世の書である。
目次
ウォルフレンの日本教育論
第１部 教育と病理（日本の教育問題；学級崩壊と学力低下；世代論から見た教育；教育論争のリアル）
第２部 教育と歴史（２・２６事件に見る世代論的考察；日本占領とＧＨＱ知日家群像；大学一般教育の戦後史；高校多様化と教育政策の迷走）
第３部 教育と科学（科学批判への社会学的視座；教育社会学のミクロ理論とマクロ理論；Ｒ．コリンズの教育社会学理論；科学社会学の日本的導入と展開）
著者等紹介
河野員博［コウノカズヒロ］
１９４９年広島市生まれ。１９８０年広島大学大学院教育学研究科博士課程後期中退。現在、県立広島大学教授。専攻は教育社会学、現代日本社会論（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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