内容説明
3.11の大災害は、技術主導の下醸成されてきた安全神話、さらに戦後日本を根底で支えてきた専門知/技術知への信頼を崩壊に導いた。本第二版は、この衝撃的事態の進展を見詰めつつ、災害現場調査等、その後3.11に関してもたらされた知見をベースとした約100頁を初版に加え、これまで看過されてきたローカル・ナレッジの掘り起こしはじめ、新たな地域住民の実践やセーフティネットの再構築を展望する。
目次
東日本大震災と「防災の社会学」―第二版の刊行に寄せて
防災の思想―まちづくりと都市計画の“転換”へむけて
防災をめぐるローカル・ノレッジ―消防団の系譜と今後の可能性を中心として
防災コミュニティと町内会―中越地震・中越沖地震の経験から
都市部町内会における東日本大震災への対応―盛岡市松園地区北松園町内会「北松園自主防災隊」の事例
震災ボランティアと支えあいのしくみづくり
被災者の生活再建の社会過程
災害弱者の支援と自立
災害支援・防災と情報メディア環境―東日本大震災における情報支援の過程から
防災ガバナンスの可能性と課題
防災と地域セキュリティの論理
補論1:地域資源と防災力―いわき市を事例に
補論2:災害と文化芸術
補論3:“災害の社会学”関連文献解題
著者等紹介
吉原直樹[ヨシハラナオキ]
大妻女子大学社会情報学部教授、東北大学名誉教授、日本学術会議連携会員。1948年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了、社会学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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