内容説明
南米チリは、軍事独裁政権の下で国家主義と経済の市場主義双方の原理的相克を孕みつつ80年代初頭より教育の市場化・民営化を世界で最初に実施し、その基本的骨格を継承して今日に至った。現代チリ教育の40年に及ぶダイナミズムを活写・分析した本書は、わが国初の本格的研究であると共に、日本の初等教育から大学政策まで、多くのヒントをもたらすものである。
目次
序章 新自由主義的教育政策の先駆的事例としてのチリ
第1章 チリの国家形成と教育の歴史
第2章 チリ教育制度の近代化と民主化
第3章 軍事政権の出現と軍政前半期における教育政策
第4章 新自由主義的教育政策の導入
第5章 経済危機による混乱と政策の実施過程
第6章 軍政の終焉と教育改革の見直し
第7章 文民政権の教育政策―継続と変革
第8章 九〇年代後半の教育政策―教育の近代化を求めて
終章 教育政策の評価をめぐって
著者等紹介
斉藤泰雄[サイトウヤスオ]
1951年福島県生まれ。1973年新潟大学教育学部卒業。1978年東北大学大学院教育研究科博士課程修了。日本学術振興会奨励研究員。1979年国立教育研究所研究員。1987年同主任研究官。1996年同アジア教育研究室長。現在、国立教育政策研究所国際研究・協力部総括研究官。専門は比較教育学、ラテンアメリカ教育論、国際教育協力論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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