目次
第1章 教育分析の始まり(初回の面接;心理臨床をめざした理由;『ねずみ女房』との出会い;教育分析とは)
第2章 京都大学へ(内地留学の実現;初回夢(イニシャル・ドリーム)
愛情希求
海外研修)
第3章 分析の日々(箱庭体験;夢分析;「僕が、よう出てきますね」;スーパーヴィジョン)
第4章 夢の深化(「生き抜くことです」;ワレンベルグ症候群発症;転移・逆転移;脳腫瘍による出血;この世ではないところ)
第5章 さまざまな賜物(お会いした場所;『思い出のマーニー』;こころに響く言葉;いくつもの励まし;最後の年のこと)
第6章 この世での別れ(予知夢;緊急入院から逝去まで;追悼式)
著者等紹介
滝口俊子[タキグチトシコ]
1940年生まれ。立教大学大学院文学研究科(心理学専攻)修了。慶應義塾大学医学部神経科に入局。立教女学院短期大学教授を経て京都文教大学教授、放送大学教授などを歴任。2011年、日本心理臨床学会賞受賞。現在、放送大学名誉教授。臨床心理士として今も相談室を開設し心理臨床に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たっこ。
3
自身も臨床心理学者である著者が、21年間にわたり754回の教育分析を河合隼雄氏から受け、その際に語った夢、河合氏の反応、身の上に起きた出来事などを綴った本。興味深くいっぺんに読んでしまった。大事なことを読み落としてそうな気がする。河合氏との激烈な言葉と感情のやりとりが時折挟み込まれ、そこから2人が関係を築いてゆくシーンは感銘深い。深いものを茶化す癖が河合先生にもあったのか。そうだよなぁ。保たないよなぁ。転移/逆転移がありありと(赤裸々なほどに)描かれているのもこういう人たちならではの率直さなのかしら。2015/02/17
alto弾き
1
心理学における「夢」について興味があり読んでみたが、内容のほとんどは筆者と河合隼雄氏の出会いから、強烈な転移、そして別れまでのエピソードだった。 女性が家庭を持ち、迷いながらキャリアを積んでゆく実話としても興味深く読んだ。筆者の河合氏への転移は純粋な尊敬や好意とともに、家庭を持つ女性がキャリアを積む過程で持つ不安から、河合氏へのすがりつくような依存や神格化が起こったことを感じる。ここまで強烈な転移感情を抱きながら、20数年も一緒に仕事をしていく関係からは、河合氏をも自分の糧に取り込む強い女性を感じた。2023/07/15
baniko
1
一気読みしてしまったので再読する。2014/11/26
林克也
0
滝口さんは育ちが良いというか、世間ズレしてないというか、・・・。臨床心理学の世界で重要な役職を歴任してきた人であり、姉妹関係、親子関係、勉学、そして重篤な病気の経験等、いろいろあったにせよ、市井の人達の感覚とかなりずれていると感じた。本の内容から、河合隼雄さんに恋愛感情を抱いているのが見え見えなのに、それは認めず、その感情の高まりからも当然河合先生とのセックスの夢も見たと思われるが、それは記述していない。なぜ書かないのか、河合先生の名誉のためとは思うがそれでは本の内容に噓があると思えてしまい、残念である。2015/01/27
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