内容説明
個人の生を豊かにする技法としての「生きた人権思想」を身につけるには、どうすればよいのか。格差社会や排外主義を解決する、最後の武器としての人権を使いこなすために、自身の経験をもとにまったく新しい見方を提唱する。
目次
人権の視点を変更せよ
権利は闘い取るものである―イェーリング
「権利」という言葉の変遷
自然権の思想―トマス・ペイン
“私”から出発する―デカルト
人間の尊厳とは―ピコ・デッラ・ミランドラからカントへ
自由を求める本性―『沈黙』を読む
人権の誕生―ロビンソン・クルーソーの場合
二つの顔をもつ人権―プラトンの「洞窟の比喩」
価値とルールの混同
万人の万人に対する戦争―ホッブズの人間観
身体とこころは誰のものか―ロックの人権思想
自分自身の主人公になる―ルソーのアイデア
市民の自由とは何か―ルソーの「社会契約論」
道具と人格―アイヒマン実験とカントの人格論
カントのコペルニクス的転回
学ぶ力―オモニの夜間学級
共に生きようとする欲望―ヘーゲルの相互承認の原理
満足した豚と不満足なソクラテス
少数意見の必要―ミルの『自由論』
マルクスの人権批判
市民のとらえ方―ハンナ・アレントの公共のテーブル
二つの利他主義―アマルティア・センの社会的コミットメント
私の決断―ケイパビリティの思想
双方向の共生のこころみ―キムリッカの「多文化的市民権」
人権観を作り直す
著者等紹介
金泰明[キムテミョン]
1952年大阪市生まれ。在日韓国人政治犯を救援する家族・僑胞の会事務局長(1976~90)、在日韓国民主人権協議会共同代表(1990~95)を経て、明治学院大学大学院国際学研究科で近代哲学と現象学を学ぶ。博士(国際学)。英国エセックス大学大学院人権理論実践コースで哲学・倫理学・政治学を学び、M.A.を取得。現在、大阪経済法科大学法学部教授。専攻は人権学(マイノリティの権利論、共生社会論)と法哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
左手爆弾
UP
Sakana