出版社内容情報
戦後70年経つのに、なぜ米軍基地が日本中を支配しているのか。未曾有の大事故を起こした原発を、なぜ止められないのか。米国公文書の資料などの実証をもとに、戦後日本の「謎」を解きあかす。
内容説明
なぜ、戦後70年たっても、米軍が首都圏上空を支配しているのか?なぜ、人類史上最悪の原発事故を起こした日本が、再稼働に踏みきろうとするのか?なぜ、被爆した子どもの健康被害が、見て見ぬふりをされてしまうのか?なぜ、日本の首相は絶対に公約を守れないのか?だれもがおかしいと思いながら、止められない。日本の戦後史に隠された「最大の秘密」とは?
目次
1 沖縄の謎―基地と憲法
2 福島の謎―日本はなぜ、原発を止められないのか
3 安保村の謎1―昭和天皇と日本国憲法
4 安保村の謎2―国連憲章と第2次大戦後の世界
5 最後の謎―自発的隷従とその歴史的起源
著者等紹介
矢部宏治[ヤベコウジ]
1960年、兵庫県生まれ。慶応大学文学部卒。(株)博報堂マーケティング部をへて、1987年より書籍情報社代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゼロ
86
難しい本でした。沖縄に米兵がいるのは、安保理条約を結んだせいである。そもそも安保理条約が、憲法よりも上位にあるもので、日本はアメリカを制限する権利がないということ。米兵を日本から撤退させたいという気持ちも、昭和天皇からの要請でいるわけだから、おかしな話であるということ。他にも敗戦国である日本は、敵国条項が削除されずにいる。ドイツやフィリピンは独立できたというのに、戦後70年経っていても支配されている。全ての事柄が初めてで、情報量が多かった。ただそれでも読むべき本でした。2017/09/13
パフちゃん@かのん変更
86
暗澹たる気分になります。第二次世界大戦の敗北で日本は世界の最底辺国に転落した。が、戦後世界の覇者となったアメリカに従属路線をとることで世界第二位の経済大国へと駆け上がった。が、日本は敗戦国であり連合国の敵国。すべてに優先する国連憲章の「敵国条例」のために日本は沖縄のみならず首都圏上空の制空権も持たない。基地を追い出したり、原発をやめることもできない。鳩山さんは基地問題に手を出して失脚させられた。官僚は米国に従った。大変難しい問題である。2016/08/23
ちえ
63
今の日本が直面しているさまざまな問題の背景となる事実が丁寧に紐解かれ、冷静な視点で記されていた。日本国憲法、安保条約、国連憲章、基地問題、原発問題全てに繋がるカラクリは国民として知らなくてはならないものだと感じるのと同時に、自分の不勉強を痛感した。これからの時代を担う若い世代に是非とも読んでほしい。2016/12/27
カザリ
52
ベトナム戦争が米軍を国土から追い出すための戦争だったとすると、今の日本人はこの事実を突きつけられても、アレントの言うユダヤ人のように、みせかけの安定に服従して本質は奴隷のような立場で平気ということになる。みせかけの安定もいよいよ限界になってきているとき、日本人は血を流してでも本当は正義を求めなくてはならない。なのに、なぜそれができないのだろう。日本人は支配されるのが好きなのだろうか。血を流して戦うより、生かさず殺さずを選んでしまうことが恐ろしい。2018/06/24
ちゃこばあ
51
感想の言葉も出ないほど衝撃的です。なんだか無力感でいっぱい。日本の政治ってなんなんだろう…。2016/02/09