内容説明
昭和16年、海軍機関兵として呉海兵団に入隊した木村は、教班長によるビンタの苛烈さや、棍棒で臀部を殴打する精神棒制裁の存在に驚愕する。しかし艦隊配乗後の彼を待ち受けていたのは、それを遙かに凌ぐ、下級兵の精神的・肉体的苦痛の日々であった。著者の実体験を下敷きに、日本帝国軍隊兵士の生態を鮮明に描く。出色の兵隊小説。
著者等紹介
木ノ本久男[キノモトヒサオ]
大正9(1920)年、和歌山県生まれ。大阪府東大阪市在住。高等小学校を卒業した後、神戸市に住み、まず海運関係の店に勤め、次に川崎重工業に勤務。昭和16年1月、呉海兵団に入隊。昭和21年夏、印度洋ニコバル諸島・カーニコバル島より帰還
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