内容説明
1982年NHKテレビ「ドラマ人間模様」として放映された、全5話のシナリオを完全復刻。白血病に冒された被爆二世の温泉芸者と、ひなびた温泉街に吹き寄せられたように肩を寄せ合って生きる人々との心の交流を描く。「私の命はあと2年です。ふいに誰かを好きになりたい思いがこみ上げてきました。自分でもうろたえるほどに、こみあげてくるのです。」病を背負いながらも、ひたむきに生きる芸者・夢千代。元中学教師の画家・上村とのほのかな恋と意外な破局を、しみじみとした哀感とともに描く。
著者等紹介
早坂暁[ハヤサカアキラ]
1929年愛媛県生まれ。能楽、華道、茶道の新聞編集や評論活動ののち、シナリオライターとして主にテレビドラマ、テレビドキュメンタリーを執筆。豊かな人間像を描き独自の作風を確立。主な作品に『夢千代日記』『空海』『花遍路』『天下御免』などがある。放送文化基金賞(1979年)、芸術選奨文部大臣賞(1982年)、向田邦子賞(1985年)、紫綬褒章(1994年)など多数の賞を受賞している
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