内容説明
15世紀頃から19世紀にかけての中世インドで盛んに描かれた細密画(ミニアチュール)。輝かしい原色の大胆な画面の中にある、横顔や大きな目の素朴だが活力に満ちた人物像、写実的な色彩と精緻な線描で優雅に描写された女性像まで、多様な細密画が描かれている。その1枚の中には、インドのあらゆる要素が結集している。本書上巻では、細密画の描かれた地域別流派ごとにゆかりの地を調査。奥深いインド細密画の世界を、現地のリアルな表情とともに伝える。
目次
はじめに インドの絵画の流れ
1 細密画に描かれたインドの神話・文学および歴史
2 細密画が描かれた王国と美術館などを訪ねて(パハーリー派細密画の王国と美術館などを訪ねて;ラージャスターン派細密画の王国(東部)と美術館などを訪ねて
ラージャスターン派細密画の王国(西部)と美術館などを訪ねて
デカン派細密画の王国と美術館などを訪ねて
ムガール派細密画の帝国と美術館などを訪ねて)
3 音楽の絵画化「ラーガマーラ細密画」
著者等紹介
浅原昌明[アサハラマサアキ]
1941年大阪府大阪市出身。インド・ペルシャ細密画研究者。1964年松下電器産業株式会社入社。1979~1983年、松下電器産業のインドの子会社に出向。インドの細密画に初めて出会い、魅了される。以来20年間を細密画の研究についやす。定年退職後、5回延べ3カ月半、細密画が描かれた中・近代インドの藩王国の宮殿・城塞を確認のため実地調査し、現在細密画が保管・展示されている美術館・博物館を訪ねる。一枚の細密画に描かれ秘められたインドの歴史・宗教・文化の多様性と奥深さと、細密画のすばらしさを、多くの人々に紹介したいと考えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。