内容説明
日本の中世といわれる平安・鎌倉・室町時代は、ともかくわかりにくい時代とされてきた。なにしろ中央政府(朝廷)が弱体で、諸制度は多元的で複雑。宗教が強いことも話をややこしくしている。しかし、少し視点を変えれば、中世の人々は道徳などに縛られず、ひたむきに愛と欲望のために生きており、その姿は現代人にはとても魅力的に映る。本書では、中世という時代のダイナミックな実像を読み解き、これまでにない「わかりやすくて面白い」中世史を示していく。
目次
第1章 大唐帝国の終焉と中世日本の始まり(平安・鎌倉・室町時代は究極の「小さな政府」の時代;平安遷都と東北経営で国の形をつくった桓武天皇(桓武~平城) ほか)
第2章 『源氏物語』と『平家物語』を政治史として見る(天皇よりも関白よりも強力な天皇の生母(冷泉~一条)
「皇后陛下」は明治になって始まった西洋式制度(三条~後三条) ほか)
第3章 京都の論理と関東の不満が正面衝突(「平家追討の令旨」が勘違いから大事件に(後鳥羽1)
京都人だった源頼朝と関東武士の微妙な関係(後鳥羽2) ほか)
第4章 後醍醐天皇の夢を足利義満が完成した(建武の中興はどこが間違っていたのか(後醍醐)
親鸞と日野富子を出した日野家の女性たち(後村上&北朝) ほか)
第5章 外交と宗教から見た中世日本を総括する(比叡山の僧兵が強かった本当の理由;浄土真宗や日蓮宗は戦国時代になって発展した ほか)
著者等紹介
八幡和郎[ヤワタカズオ]
1951年滋賀県大津市生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。フランスの国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任後、現在、徳島文理大学教授をつとめるほか、作家、評論家としてテレビなどでも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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林 一歩
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