内容説明
『数学は世界を変える』のリリアン・R・リーバーが1936年に刊行した相対論入門書の古典。詩的な文章と数学を使って、相対論の基礎をていねいに解説しています。数学を使わない一般向け解説書では比喩的なイメージでしかとらえることができない相対論を、明快かつ正確に理解することができます。ヒュー・グレイ・リーバーのイメージあふれるイラストも、読者の理解を助けます。相対論に関心を持つすべての読者に最良の一冊です。
目次
1 特殊相対論(イントロダクション;マイケルソン=モーレーの実験;基本的な考え方の再検討;治療法;困難の解決法 ほか)
2 一般相対論(読者への案内;導入部;等価原理;非ユークリッドの世界;空間の勉強 ほか)
著者等紹介
リーバー,リリアン・R.[リーバー,リリアンR.][Lieber,Lillian R.]
1886‐1986。ロングアイランド大学数学科長
リーバー,ヒュー・グレイ[リーバー,ヒューグレイ][Lieber,Hugh Gray]
1896‐1961。ロングアイランド大学美術学科長
水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳者。東京大学理学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kochi
18
『数式を使わない〜』が世の中に氾濫する中、入門書でも数式を真面目に丁寧に扱った本書。著者や訳者の示唆するように、たまにノートに数式を書きながら、挫折を繰り返しながら、とりあえず、最後まで読みきった… f^_^; 理系でも工学部では相対論は、ここまでやりません…職場の天体物理学専攻の人に聞くと、「学部3年でやりました。全く忘れてたけど、だんだ、思い出してきた!」と雑談のネタになり、意外なところで役に立った相対論。アインシュタインも喜んでくれたことと… f^_^;2017/10/24
まつけん
4
趣のある挿絵と趣のある文章で楽しく相対性理論を説明してくれてます。もしかしたら、分かりにくい部分もあるかもしれません(私はそうでした)。そういうときは取り敢えず置いといて、先に進んでおいて、他の本を読んでから戻ってくると理解が進むかもしれませんね。2019/02/04
Susumu Kobayashi
4
第一部の特殊相対論では、著者の軽快な語り口に乗せられて読んでいくうちに、理論の内容が理解できるようになっている。こんなに簡単だったんだと驚く。第二部の一般相対論では、等価原理、テンソルの初歩が紹介され、われわれの物理空間が非ユークリッド空間で、その性質を示す曲率テンソルが導入され、重力の方程式を解いていって、水星の近日点の移動、太陽による光線軌道の曲がり、スペクトル線のずれを説明する。知的興奮をかき立てること疑いなし。一家に一冊常備しておくべき名著である。この機会にテンソル解析勉強してみるか。2015/06/01
やす
4
数学が得意な人向けの相対論入門書。特殊から一般相対論まで。共変テンソルだ反変テンソルだ、1024個の法的式が縮退して6個になるからお得とか、空間の曲率によって重力を表し、彗星の近日点移動とか、重力下では時間の歩みが遅くなるとか、光は重力によって曲がるなどを方程式から説明するんだからかなり本格的。時空の方程式の立て方が座標変換はこうあるべきというところから入っていき、種々の制約で無用部分をそぎ落としていくと、第一近似でニュートン力学となる方程式が現れるんだというお話。あと、残念ながら原爆賛成の本です。2013/01/14
せろり
2
とっつきやすく書かれてはいたが、曲率テンソルのところとか天下りの所も多し。ちょっと不満かな。パウリの本でもまた読むか?って気にさせてくれる本。2013/03/03