内容説明
連邦憲法裁判所による基本判例とその展開―日本国憲法が直面している諸課題を考えるために―ドイツ憲法判例の世界を覗いてみよう!有名判例・話題のテーマに関する基本判例を解説。基本判例のみならず、判例の展開や関連立法も説明。各テーマで、日本国憲法の解釈への示唆も考察。日本でも関心の高いトピックを「コラム」に掲載。
目次
序論 ドイツ憲法判例の検討とその前提
第1編 基本権(基本権総論;人間の尊厳;人格の自由な発展の権利;情報自己決定権;平等原則;信仰の自由・良心の自由;意見の自由とプレスの自由;放送の自由;学問の自由;婚姻と同性カップル;職業の自由;所有権)
第2編 総論・統治機構(民主政原理;法治国家原理・権力分立原理;社会国家原理;政党;選挙原則;職業官僚制;連邦軍の国外出動;EU法と基本法)
著者等紹介
鈴木秀美[スズキヒデミ]
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授
三宅雄彦[ミヤケユウヒコ]
駒澤大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フクロウ
1
ドイツの連邦憲法裁が出来てから今日までの判例法理の推移がざっくり把握でき、ありがたい。リュート、カルカー、グリコールワイン、オショー、薬局、大学など、聞いたことのある古層の判例が沢山でてき、また近時の最新動向にもスポットライトが当たる。また、日本と異なり、連邦軍海外派兵や政党規律、官僚制などについても裁判所が踏み込んで違憲判決を出しており、政治を統制できている。ただ、全体的に誤植や文章の読みにくさが目立ち、校訂に十分な時間と労力がかけられなかったのだろうことが窺える。その点を除けば、間違いなく良著である。2023/09/17