出版社内容情報
マックス・ランディス[マックス ランディス]
著・文・その他
ニック・ドラゴッタ他[ニック ドラゴッタホカ]
イラスト
吉川 悠[ヨシカワ ユウ]
翻訳
内容説明
これは、我々が知るスーパーマンの物語ではない―まだその名で呼ばれる以前の、カンザスの農場に住む少年の物語だ。故郷を追われ、地球にたどり着いた最後のクリプトン人カル=エル。クラーク・ケントという名を与えられ、地球人として育てられた少年は、周りの子供たちとは異なる強大な力を持つがゆえに、苦悩と葛藤のなかで成長していく。青春SF映画の金字塔『クロニクル』を手がけたマックス・ランディス脚本の傑作オムニバス集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛸
14
クラーク・ケントがスーパーマンになるまでの物語。悩みながらも、様々な人物との出会いによって成長する、まだ未熟なクラークの姿が描かれる。ザック・スナイダー版スーパーマンへのアンチテーゼとして、ランディスの「スーパーマン論」的な側面も強い。「スーパーマンとはなんぞや」というとてつもない難問への真摯な回答。「ただ人を助ける余裕があるだけのいい人が必要なの。善意を信じてそのために戦える誰かが」。脚本、アート(カラリング含め)はとてつもなく高水準。間違いなく名作。2018/04/03
ビッチュウ
3
非常に面白かった。 スーパーマンのオリジンストーリー。 定番設定を踏襲しつつも現代的な視点も入れ、作者の再解釈として構築されたオリジンとなっており他物語との関連は無しの単品モノ。 田舎町の少年がスーパーマンになる物語と、スーパーマンがクラーク・ケントという地球人になる物語が同時進行する構成の面白さと、各章ごとに異なる描き手の多彩さが噛み合いオムニバス形式に進む具合が愉しい。それを語る表紙のカバーイラストもグッド! スーパーマンの邦訳は少ないだけに刊行有難い、非常に面白い作品でした。2019/07/02
えんじ
3
正史とは無関係な単独シリーズ。購入した理由はおそらく、表紙。作者が語るように、クラークがスーパーマンになる話ではなく、クラークがクラークになる物語。作者のランディスは、あのジョン・ランディスの息子で、『私立探偵ダーク・ジェントリー』も手がけてる。トミー・リー・エドワーズが入っているのがうれしい。2019/03/31
テロメア
2
「天使」の話数にて、スーパーマンがスーパーマンとしての限界を感じて反省したりするのは他作品で見たことがあるけれど、スーパーマンがクラーク・ケントとして一人の人として友人に諭されるシーンで反省して前に進むというのに、とても感動しました。スーパーマンが神ではなく、人として戦うスタンスになったのは他にはなくとてもよかったです。スーパーマンだって人として地球で育ったんだから「戦いの乙女」で故郷を言うシーンは素晴らしかった。あと、レックス・ルーサーは相変わらずかっこいい。とにかく、スーパーマンでトップクラス。良き!2019/02/18
サテヒデオ@ダイナミックひとり
2
アメコミの魅力の一つに、ヒーローやヴィラン、主要キャラクターのエピソードを(オリジンでさえ!)、何度も語り直す点を挙げたい。新たな意味の付与と改変、あるいは留保によって人物像が、世界観が、それこそスーパーマンの胸板なみに厚みを増す。2018/05/02