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  • サイズ B5判/ページ数 175p/高さ 25cm
  • 商品コード 9784796870917
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0979

出版社内容情報

Copyright text and illustrations © 2011 by Paco Roca. All rights reserved

かなしいのに、どこかあたたかい。
物語の最後。あんなに美しく悲しい2ページを他に知りません。
――えすとえむ(漫画家)

フランスで刊行されるや絶賛の声!
スペイン発、「老い」と向き合った話題のコミックがついに日本上陸!

息子夫婦に連れられ、老人ホームに入ることになった元銀行員のエミリオ。そこでは、たくさんの老人たちがそれぞれの「老い」を生きていた。やがて彼らは「アルツハイマー」という残酷な現実と向き合うことになり……。大切な人の顔も、思い出さえも、なにもかもが失われていくなかで、人生最後の日々に人は何を思うのか――。
まさに一本一本刻まれた「しわ」のように、さりげない描写を静かに積み重ね、2007年にフランスで刊行されるや話題となった表題作『皺』の他、スペイン内戦を背景に灯台守の老人と青年兵士の交流を描いた短編『灯台』を収録。

【著者紹介】
(著者)
パコ・ロカ Paco Roca
1969年、スペイン・ヴァレンシア生まれ。イラストレーターとして活躍するかたわら、コミック・アーティストとしてヨーロッパ各地で作品を発表。2008年、本作『アルーガス』でスペインコミック賞を受賞。「老い」という社会的なテーマを扱ったことで、コミックの枠を越え、広く世間から高い評価を受けた。

(訳者)
小野耕世
1939年東京生まれ。国士舘大学21世紀アジア学部客員教授。日本マンガ学会理事。日本における海外コミックの翻訳および研究、紹介の第一人者で、長年の海外コミックの紹介と評論活動が認められ、2006年に第10回手塚治虫文化賞特別賞を受賞。主な著書に『アメリカン・コミックス大全』(晶文社)、『世界コミックスの想像力 グラフィック・ノヴェルの冒険』(青土社)、訳書にアート・スピーゲルマン『マウス』(晶文社)、ジョー・サッコ『パレスチナ』(いそっぷ社)などがある。

高木菜々
1971年横浜生まれ。清泉女子大学スペイン語スペイン文学科卒。スペイン語とスペイン語圏文化の普及に努めるスペイン国営文化機関セルバンテス文化センター東京にて勤務。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

37
スペインのグラフィックノベル。老人ホームに入所した元銀行員のエミリオのアルツハイマーの症状が進行していく様子を描く「皺」、スペイン内戦期、ファシスト軍から逃げる元共和国軍兵士フランシスコと、ただ一人故障した灯台を守るテルモ老人の出会いをモノトーンで描いた「灯台」を収録。「皺」:次第に記憶や機能が失われてアイデンティティがなくなる描写には恐怖!入所者あるあるは笑えない…ミゲルが車を入手し、仲間とともに夜のドライブに出かけるところは「郭公の巣」のクルージングを想起。「灯台」:希望こそ生存にもっとも必要なもの!2021/05/06

マリリン

35
老いについて否定的すぎる、家族に迷惑をかけたくない、独身でいれば家族の老いを心配する必要もない、妻はもう夫がわからない、記憶をなくしても性欲は... 介護士たちをだまさないといかんな、特に医者には気をつけないと...ハッとする言葉とシーンに、衝撃的が脳裏をよぎり、老いとは?と重い現実を突きつけ問いかけてくる「皺」 人を催眠状態に誘い込むような光を放つもの...逃げる兵士が出会った老灯台守の、夢なくしては漂流してもどこにも行く事ができないという言葉が沁みる「灯台」の2作収録のスペインBD。 2023/04/09

ののまる

13
再読。最後に残るのは、仕事や業績や名誉ではなくて(社会的にはずっとそれは後世にまで何かの形で残っていくだろうけれど)、記憶や身体能力や、人としての尊厳がどんどん失われていく老いの課程において、最後に残るのは、やっぱりその人への愛情。2015/02/24

内島菫

11
普通に面白かった。すべての要素が細かく計算された上で配置され、きちんきちんとコマが進んでゆく。絵も構図も空白や白紙の使い方も効果を考慮して作られていて、作者の誠実さが伺われるが、やはり外国の漫画に感じる特有の情緒のなさがある。『レヴォリュ美術館』のような理知的な作品はそれでも面白かったし、『鶏のプラム煮』にはアジア的な空気を感じたので、情緒のなさが日本の漫画の差として楽しめたが、本書はよくできているだけに物足りなさがある。逆に、私が感じているこの「情緒」が何なのか、どこからくるのかに興味を覚えた。2015/05/23

まなあん

7
老いを真正面から非常にリアルに描いてある。哀愁というより痛切。認知症やアルツハイマーが進むと最後には真っ白になっちゃうのかな・・2013/10/18

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