内容説明
国際日本文化研究センター(日文研)の共同研究「怪異・妖怪文化の伝統と創造―研究のさらなる飛躍に向けて」の研究成果報告書。
目次
1 伝承(伝承・空間(洪水怪異伝承の構造と意味;怪音と妖怪―聴覚と怪異現象 ほか)
造形化・図像(『百鬼夜行絵巻』の「山伏と一軒家」;寺と怪談―名もなき幽霊画の名作を追って ほか))
2 方法/創作(妖怪論/分類・方法(節用集に見る怪異;柳田國男の妖怪研究―「共同幻覚」を中心に ほか)
妖怪論/小説・マンガ・映画(“境界”に挑む者たち―幸田露伴「魔法修行者」論;三島由紀夫の幽霊談「第二段階」と村上春樹の「地下二階」―ランボー、透谷、賢治 尖鋭の近代とともに ほか))
3 比較妖怪学(伝承と創作・前近代と近現代のあわいで(創られる妖怪たち―地域に根差した物語再生への試み;遠い所に住む小人―児童文化に見られる小人のイメージ ほか)
日本と海外・国際的妖怪研究にむけて(妖怪を創ろう!・海外・ハンガリー編;異界とのネットワーク ほか))
著者等紹介
小松和彦[コマツカズヒコ]
1947年生。国際日本文化研究センター所長。専門は文化人類学・民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
jackbdc
0
妖怪とは人知を超えたモノの象徴として、人間が自らの傲慢さを戒めるために作り出したものなんだろう。柳田邦男は神を象徴すると言って、皆に否定されてしまったらしいが、そんな部分もあると思う。印象に残ったエピソードを2つ。一つ目、妖怪とコミュニケーションをとれる存在について。特別の人間だけがそれを行う。男性で楽器を演奏する宗教者という例示には笑った。イメージぴったりの人が身近にるから。二つ目、妖怪を作ろうワークショップ。国や時代により作品に違いがでるだろう。参加者が暮らす社会を妖怪が鏡となって映してくれるだろう。2020/10/23