内容説明
デュラス文学のキーワード“眺める regarder”・“待つ attendre”・“憧れ出る partir”をとりあげ、ヒロインたちの孤独な内面に潜む独白的な“声”を聴き、比較詩学の視点からも和泉式部の“歌ことば”に照らして、デュラスの“詩の小説”‐“空白”に截断されては語り継がれる―を読み解く問題作。
目次
序章(デュラス的語彙の繰り返し;比較という読みの方法)
第1章 眺める regarder(デュラス的語彙“眺める regarder”;風の認識;つれづれの眺め;時間感覚の理知的表出)
第2章 待つ attendre(デュラス的語彙“待つ attendre”;受動的な知;恋;独白的対話)
第3章 憧れ出る partir(デュラス的語彙“憧れ出る partir”;春の倦怠;憧れ出づる魂;アイロニーのアレゴリー)
終章(デュラスの文学をめぐる背景;文学作品の読みの方法)
付論 マルグリット・デュラス『ヒロシマ・モナムール(Hiroshima mon amour)』―日本における受容
著者等紹介
蘇芳のり子[スオウノリコ]
1946年岐阜県に生まれる。1969年早稲田大学第一文学部仏文科卒業。1969年~1974年岐阜県立高校勤務。1977年~1992年東京都立高校勤務。1992年ニース大学文学部博士課程前期課程修了。1997年同大学博士課程後期課程修了、マルグリット・デュラスの研究で新制度による博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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