内容説明
ロシア・フォルマリズムとは何だったのか?「構造主義の先駆」という通説から遠く離れ、新たなパースペクティブでこの画期的な運動の意義を書き換える。「文学理論の端緒」を歴史化する野心的な試み。
目次
序 文学理論の世紀のあとで―ロシア・フォルマリズムを新たな視点から読み直すために
第1部 甦る詩的言語論(詩的言語の現象学、あるいは、声と記号のあわいで―ユーリイ・トィニャーノフ『詩の言語の問題』をめぐって;声への想像力―ボリス・エイヘンバウムの詩論;ヤヌスの顔の詩的機能―ロマン・ヤコブソンの構造詩学の中のフォルマリズム)
第2部 描き直される思想地図(超克、あるいは畏怖―歴史の中のフォルマリストたち;回帰する周縁―ロシア・フォルマリズムと「ドミナント」の変容;言語と世界構成―ロシア宗教ルネサンスの言語論とフォルマリズム)
第3部 文学を越えるフォルマリズム(スターリン期映画のフォルマリスト的瞬間;幾何学的フォルムの可能性―ヴィクトル・シクロフスキイの場合;トィニャーノフと「歴史の危機」;詩とプロパガンダの意味論―トィニャーノフがいちばんやりたかったこと)
著者等紹介
貝澤哉[カイザワハジメ]
1963年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門はロシア文学・文化理論
野中進[ノナカススム]
1967年生まれ。埼玉大学教養学部准教授。20世紀ロシア文学・文化専攻
中村唯史[ナカムラタダシ]
1965年生まれ。山形大学人文学部教授。ロシア文学・ソ連文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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