出版社内容情報
古代日本の最大の謎である邪馬台国については,おびただしい研究が発表され,論争は過熱の度を加えている.しかし,その論争の多くは,魏志倭人伝中の邪馬台国に関するわずかな記述の解釈をめぐってのものに他ならない.魏志倭人伝をはじめ,古代日本に関する中国史料を一書に集めた史料集.原文(影印)・現代語訳を新たに付す.
内容説明
古代日本の最大の謎である邪馬台国については、数多くの研究が発表され、その論争は過熱の度を加えている。しかし、その論争の多くは、魏志倭人伝中の邪馬台国に関するわずかな記述の解釈をめぐってのものに他ならない。この魏志倭人伝を始め、古代日本に関する中国史料を一堂に集めた史料集。現代語訳・原文(影印)を新たに付した。
目次
解説(中国正史倭・日本伝について;『魏志』倭人伝について;『後漢書』倭伝について ほか)
訳注(『三国志』・『魏志』巻三〇東夷伝・倭人(『魏志』倭人伝)
『後漢書』巻一一五東夷伝・倭(『後漢書』倭伝)
『宋書』巻九七夷蛮伝・倭国(『宋書』倭国伝) ほか)
現代語訳(『魏志』倭人伝;『後漢書』倭伝;『宋書』倭国伝 ほか)
附録
感想・レビュー
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mitei
323
簡単にサクッと読めるけど、日本史の重要な資料だな。日本人は昔から日本人だったんだなと驚く。2017/02/05
molysk
65
中国正史に残された、古代日本に関する記述。魏志倭人伝では、三世紀の日本の風俗や体制が記されるが、興味を引くのは邪馬台国へと至る道程であろう。方角と距離に関する記述は明確ではなく、現在に至るまで邪馬台国の所在に関する論争は続いている。宋書倭国伝には、五世紀に行われた「倭の五王」の朝貢の記述が見える。隋書倭国伝には、小野妹子による国書に「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す、恙なきや、云云」とあり、煬帝、これを覧て悦ばず、と書かれている。各書の記述は10ページ程度であり、一読する価値はあるだろう。2024/01/28
N島
20
太古の日本を記した最古の文字記録『魏史倭人伝 』。本書では他に後漢書倭伝、宋書倭国伝、随書倭国伝が収録され、解釈を極力交えず、古の日本の姿を客観的に読み説けるよう配慮が為された一冊となっています。邪馬台国の謎の解明…みたいなものを望む方には物足りない一冊ですが、真摯な態度で日本の歴史を0から学びたいと欲する方には必読の一冊といえるでしょう。2018/09/17
金吾
16
中国の正史から倭に関し記した部分を抜粋した一冊です。それぞれあっさりと書いていますが、中国王朝からみた当時の日本の習俗等がわかります。現代語訳と原文もありその点でも楽しめました。2020/02/04
閑居
15
名にし負う魏志倭人伝。1700年以上前の日本人の風土と風俗を生き生きと描く。驚くべきは、短い文章の中に盛り込まれた内容の豊富さと詳細さだ。旅行記風の語り口で、視点を日本各地に巡らせながら、日本人の容姿、家屋、文化、政治などの様子を、具体的な数字を挙げながら細かく書き記している。現代社会でも学術的な文献として通用するレベルではないだろうか。2022/07/16
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