感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那由多
12
『西郷札』しか読んだことがなく、映像化作品は『砂の器』しか観たことがない私ですが、何故か図書館で引き寄せられたこの一冊。貧困と学歴の劣等感、昭和という時代背景、犯罪・歴史・社会を切り取る眼、自身の目指す文学、映像化作品などなど多角から松本清張の世界を考察。ヒッチコックのごとくゲスト出演を沢山してる事と、原作『砂の器』はドラマにないハイテク兵器(?)を使用した物理トリックがあるらしい事の二点に興味を惹かれた。2019/06/17
スターライト
8
どうしたわけか、松本清張に興味を持った。社会派推理作家の彼に、SF小説といっても通るような作品『神と野獣の日』があることを知り、それを読んだことが記憶の奥底に残っていたのかも知れない。本書は生誕100周年の年(2009年)に刊行された、氏の作品を多角的に紹介した優れたガイドブックであり、生涯を切り取ったアルバムでもある。貧しかった前半生が執筆の動機の一つとなり、また登場人物や作品背景に色濃く投影されたことが、今なお魅力が衰えない所以なのだろう。好奇心の旺盛さで枠にとらわれないところは、小松左京のようだ。2018/08/11
慧
0
★★1/22009/08/01