内容説明
世界の好況は、借金漬けのアメリカ人のおかげだった。だが、サブプライム問題が歯車を狂わせた…。ブラックマンデーを乗り越え、30年間相場で生きてきたプロが「サブプライム」の正体を解き明かす。
目次
プロローグ ステップ返済がサブプライムローンになる時!
第1章 住宅バブルを生んだ社会的な背景、時代的理由
第2章 サブプライムが略奪的貸付に変質した理由
第3章 サブプライム問題の露呈―歯車が逆回転を始めた
第4章 サブプライム問題への対策と現実―住宅バブルを後押しした証券化
第5章 サブプライム問題の今後
第6章 終わりのはじまり―アメリカ帝国の終焉
著者等紹介
春山昇華[ハルヤマショウカ]
1978年京都大学法学部卒。1984年の円債・外債・為替の投資経験を端緒にして、87年からロンドンで世界中の株と債券を組み込んだ国際分投資に3年間従事。オフショア登録ファンドでトップの成績を記録。帰国後は、国内系、外資系の投資顧問会社などで年金基金の運用に従事したのち、投信の立ち上げと内外株式のCIOなど多彩な活躍。現在は金融機関で運用関連業務に携わる。個人投資家の投資立国の必要性を感じ、投資知識の普及を目指してを1996年よりネットで活躍。最近は日本・中国・アメリカへの投資を話題としたブログが人気を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テイネハイランド
10
この本が書かれたのは、2007年11月で、いわゆるリーマンショックが起こる前である。リーマンショックの原因となった(1)米国不動産事情(サブプライム問題)(2)過度のレバレッジ投資(金融テクノロジーの進化に伴う証券化商品の流行と軌を一にする)の横行による世界の金融市場における不安定化が、多くの図を用いて大変わかりやすく解説されており、著者の見識の確かさならびにプレゼンテーションの能力の素晴らしさを堪能できる一冊となっており、今読んでも古さを感じさせない。2015/05/23
Hiroki Nishiyama
6
サブプライム問題も最近騒がれているようには感じないが、歴史には残る大事件だったのでしょう。相変わらずアメリカは大きな力を持っていますが、今後はどうなるのでしょうか。2011/09/11
ひろし
5
サブプライム問題やリーマンショックについては、昨年幾つかの本を読んだり調べたりしたテーマだった。この本を読んで、改めてサブプライム問題について知ることが出来た。日々の情報収集からの客観的な分析も素晴らしいが、春山さんらしいのは、大局的な歴史的観点からの考察を交えて説明しているところ。このような考え方や物の見方を自分も身につけたい。2014/08/27
弓月紺
4
所謂リーマンショックによる世界経済への波及の前段階である、サブプライム問題について書かれている本作。つくづく、リーマンショックは予見が十分可能だったことがわかります。特に、バブルを経験している日本が警鐘を鳴らすべきだったと思います。でもまあアメリカ相手じゃね・・・(苦笑)しかし、国民的気質が根底に根ざしているというのは目から鱗でした。2009/06/06
乙郎さん
4
今更ながら。サブプライム問題について英文学の翻訳のような文体で解説してくれているのが特徴。読んでいて思ったのが、この問題がアメリカ人の心性、オプティミズムとエゴイズムから来ているということだった。サブプライム問題とは100年近く覇権を握ってきたアメリカという国の限界を示す事件だったのかもしれない。となると、ここからがオバマの腕の見せ所かな。あるいは、覇権国アメリカの最後。2009/04/18
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