内容説明
般若心経の?はお釈迦様に聞こう!仏教本来の教えを守る初期仏教のスマナサーラ長老が、般若心経を解読。ブッダの本当の教えがよくわかる。
目次
はじめに 般若心経は難しい?
第1章 色即是空と空即是色
第2章 呪文と真実語
第3章 生き方を語る仏教
第4章 無我問答
おわりに まことの般若心経
著者等紹介
スマナサーラ,アルボムッレ[スマナサーラ,アルボムッレ][Sumanasara,Alubomulle]
1945年、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニア大学で仏教哲学の教鞭をとったのち、80年に国費留学生として来日。駒澤大学博士課程で道元の思想を研究。05年、スリランカ上座仏教シャム派総本山アスギリヤ大寺にて日本大サンガ主任長老に任命される。06年、国内3カ所に戒壇を設立。現在は、日本テーラワーダ仏教協会の長老として伝道と瞑想指導に従事している。NHKテレビ『こころの時代』出演のほか、朝日カルチャーセンター講師としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
29
《kindleunlimited》テーラワーダ仏教から見た般若心経に対する批判書。あとがきにもあるようにまさに辛口。般若心経の読み解きはかなり興味深く、般若心経が初期仏教とは相容れない内容であることも理解できた。また、中論を説いた龍樹の言説とも異なっていることは興味深かった。だがそれでもテーラワーダ仏教の説く教説はなぜかストンと腑に落ちない。あまりに自己主張が強すぎるように感じてしまう。何物にも執着しないことをブッダは説いたはずだがテーラワーダ仏教は自説そのものに執着しているように見えてならない。2022/07/30
さっちも
16
言語の限界が世界の限界といったのはヴィトゲンシュタインだったと思う。無常を説く仏教は「全ては移ろい変わりゆくもの」として捉えるのだから、言語すら仮に起こったバブルのような現象であり、何かを捉えている、何かを表していると認識するのは錯覚であるという立場だと思う。「不立文字」ってやつだ。テーラワーダは「悟り」というモノが存在し、修行や何かの観想でその境地に達するという事を長老は言う。だけど無常や空を重視するなら、それは成り立ち得ないし、正義や正しさのオシウリをするキリスト教やイスラム教と同じカテゴリーになる。2017/12/25
takeapple
14
スマナサーラ長老による般若心経批判であり、テーラワーダ仏教による大乗仏教批判なのかと思い読んで見たが、批判の論旨がよくわからない。それよりテーラワーダ仏教の経典である『慈経』や『モーガラージャ経』、『シーラ経』の解説部分の方が面白く読めた。2018/09/04
ともとも
4
般若心経は突っ込みどころ満載なのが良く解る内容。 俗人の勝手な解釈ではなく、あくまでも釈尊の説いたことを指針として語られているので信頼が置けます。 「五蘊」の解説が丁寧で解りやすい。 他の般若心経解説本では、ここまでの理解度は得られないでしょう。2015/08/19
がま
4
般若心経はなぜか世間での人気が高い。ビジネス書なんかで、解説本がたくさん出版されているようだけれども、そもそも般若心経はそんなに優れた経典なのか。この本では、スリランカ出身の日本テーラワーダ仏教教会長老である著者が、原始仏教の視点より、般若心経が如何に釈迦の説いた教えからかけ離れているのかを辛辣に糾弾している。般若心経は「空」の思想を262文字に凝縮している、なんて説明されることもあるが、肝心の「空」の理解はお粗末なもの。しかもラストは謎の呪文で終わる。仏教とは本来、もっと論理的なものなのだが。2015/02/17