内容説明
敗戦から45年、経済大国を造り上げている同じときに、酷寒の異境で、やはり戦後史を真剣に生きぬく一人の日本人の姿があった。14歳で満州に渡り、敗戦後シベリアに抑留、中国人民解放軍兵士を経て後、オロチョン族の指導者となり、いまもなお彼の地に生きる元・満蒙開拓青少年義勇軍兵士・岩間典夫の、歴史の波に揉まれた激動と波瀾の半生を活写する。
目次
河畔に立つ
地平線に陽が落ちた
俺たちは虫ケラか
反乱
戦争は終わった
不合格の捕虜
あなたの兵隊になります
井戸の中に故郷を見た
莫升玉一家
キタリス猟
逃山謡
父と子
熊おじさん
粟を食べても
天使の死
新しい村
鹿牧場
津波
30年ぶりの手紙
生きている幽霊
走馬灯
意志ある者として
流氷の河畔で