内容説明
歴史叙述の可能性。古代・中世の祭儀や儀礼の時空。さまざまな言説と表象がせめぎ合い、生成する“現場”を、そこに生きる者=実践者の視点から記述して、神仏や宮廷をめぐる言説をとらえかえした力作論集。
目次
1 宮廷祭祀の現場へ(光の中の仏教儀礼―皇后宮維摩講の時空へ;宮廷神楽の神話学―園韓神祭儀の伎芸と言説をめぐって)
2 競合とテキスト生成(聖徳太子と『先代旧事本紀』―日本紀講の“現場”から;中世神話の生成―大江匡房の神道説と儀式次第)
3 実践者のテキスト(古代前期・仏典注釈の世界―善珠撰述経疏の言説を中心に;景戒の夢解き―実践者のテキストとしての『日本霊異記』;宗教実践の書『八幡宇佐宮御託宣集』)