内容説明
資料・小説を読みくらべ、その虚と実を考える名作選集。
著者等紹介
清原康正[キヨハラヤスマサ]
1945年旧満州鞍山生まれ。同志社大学文学部卒。文芸評論家・日本ペンクラブ理事・県立神奈川近代文学館理事・日本文芸家協会編纂委員・大衆文学研究会副会長。主著に『中山義秀の生涯』(1970年、第7回大衆文学研究賞受賞)、『山本周五郎のことば』など
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感想・レビュー
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LUNE MER
19
下巻は新選組史のピークを過ぎて滅びルートに突入以降を描く作品群であり、明治の世を生きる元隊士まで描かれる。いちばん好きなのは北海道開拓に人足として関わっていたという設定の斎藤一を描く「薄野心中」。斎藤が箱館戦争時に五稜郭で戦っていたなど現在知られている史実には反する設定もあったりするが、作品としての質には支障なし。失意の中で心中せざるを得なかった若い男女の無念を晴らす斎藤の本作での格好よさは他作品では見られない味わい。ラストでの桐野利秋(中村半次郎)との再会シーンも最高の余韻を引き出している。2022/06/27
しゃんぷーしょく
1
明治以降、遺された人々の葛藤や生きざまに心打たれる2017/01/24
nokiko
0
上巻よりよかった 最後の3作はよかった2012/03/25
すい
0
11作品の初出は平成が2作と昭和のが多いが多彩な内容であると思う。下巻での実はおそらく今川徳三「新選組隊士の一日」、平尾道雄「鳥羽・伏見の戦/甲陽鎮撫隊」。面白かったのは浅田次郎と佐藤雅美の対談「『壬生義士伝』の新しさ」、福田定良「斎藤一の訓話」。明治を生き残った隊士、永倉こと杉村を津本陽「北の狼」、斎藤一こと山口五郎(本文ママ)を船山馨「薄野心中 新選組最後の人」、相馬主計を中村彰彦「明治新選組」。新選組のその後の虚という魅力に浸れ、興味深い。解説と小冊子舞字社通信も見逃せない。2011/12/30
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