内容説明
根源が失われると枝葉が繁茂しはじめる。といって表層が剥き出しになるわけではない。末節に冒されているのだ。細部は至るところ執拗に増殖し続ける無数の触手を伸ばして形にも影にも絡みつき、我々は否応なく些事に引きずりこまれる。スコラ的な細部にこだわり、ルーティンに倦み、我々はそこでようやく安堵する。些事こそ我々のリアリティであり、アリバイなのだ。我々は繁このなかで縺れあう。些事もまた欝蒼とした全体なのだ。
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- 和書
- 知性と感性
根源が失われると枝葉が繁茂しはじめる。といって表層が剥き出しになるわけではない。末節に冒されているのだ。細部は至るところ執拗に増殖し続ける無数の触手を伸ばして形にも影にも絡みつき、我々は否応なく些事に引きずりこまれる。スコラ的な細部にこだわり、ルーティンに倦み、我々はそこでようやく安堵する。些事こそ我々のリアリティであり、アリバイなのだ。我々は繁このなかで縺れあう。些事もまた欝蒼とした全体なのだ。