内容説明
神話化から歴史化へ。一つの国家の終焉はその文学の終りを意味しない。今、あらためてその総体を再検討し、東ドイツ文学がわれわれにつきつけてくるものを深く、真摯に受けとめる試み。
目次
序論 東ドイツ文学の歴史とは何を意味するのか、またその研究の行き着くところはどこか
第1章 反ファシズム神話と命令された社会主義―「創設」としての東ドイツ
第2章 閉じられた社会の中の文学
第3章 「ゼロ点」などは存在しなかった―反ファシズムを旗印にした伝統形成と新たな出発―1945年‐49年
第4章 社会主義建設の文学―1949年‐61年
第5章 禁治産宣告と道具的理性に抵抗する途上で―1961年‐71年
第6章 ユートピアと歴史の間で広がる裂け目―文明批判としての文学―1971年‐89年
第7章 80年代の新文学
第8章 転換期―1989年‐95年