内容説明
現代の知は不安の批判にさらされている。批判の対象を心理的次元に停滞させることなく、不安と対置するということは、知をまったく新しい視点で問い直さねばならないことを意味する。思考につながる不安の原初性と、その不安がモデルとなった知との対比によって、認識と思考の違いを浮き彫りにし、知の根源的自覚に迫る。
目次
不安の前にあったもの
なぜ不安は理性と感性の境をなくしてしまえるのか
不安は一体何によって生じるのか
不安の後に続くもの
なぜ探究の対象が不安でなければならなかったか―「不安は存在である」…「不安は○○である」
不安を語ることがなぜ思想を語ることになるのかそれが不安であってなぜ不安以外のものであってはいけなかったのか。神の由来
モデルとしての不安
構造としての不安
「不安は思考の対象なのに、思考と一体という矛盾である」
不安以前以後1・2
不安の原初的図式
形式と内容
同一内対立―同一内対立は精神や意識にどういう影響を与えたのか
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- 電子書籍
- 週刊東洋経済 2019年4月27日-5…