内容説明
会社員、美容部員、風俗嬢、大学院生、ダンサー…クラブで、路上で、女性たちに声をかけ続ける。ナンパは惨めな自傷行為だ。それでも、挑まずにはいられない。得体のしれない他者と一瞬つながり、離れていく。人と分かりあうということはどういうことなのか。人との断絶やさびしさを、どのように抱えていけばいいのだろうか。ナンパを通して辿りついたコミュニケーションの小さな萌芽。
目次
近くて遠い肉
獣
街で声をかける
他人の家
潜入
気持ち悪い
なにもわかってない
騙される相手
麻痺
六本木の人妻〔ほか〕
著者等紹介
高石宏輔[タカイシヒロスケ]
1980年生まれ。慶応義塾大学文学部仏文学専攻中退。初の著書『あなたは、なぜ、つながれないのか―ラポール身体知』(春秋社)がロングセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
172
図書館本。人とのコミュニケーションが苦手な主人公がナンパをすることで克服しようとするのだが、結局満たされない寂しさや付き合っても壁を作ってしまう性格で次々にナンパをして乗り換えていく話。様々な女性の人格があって楽しかったですが私にはない世界ですね。2017/09/16
ばんだねいっぺい
23
すごい表紙だ。性愛についてのノンフィクションのようなもの。このへんのことは恥ずかしさで直視しないので改て自分の情けなさややるべきなのにやっていないことを意識させられた。2022/08/28
とみぃ
19
なんとも掴み所のない不思議な読書感を味わった。通りすがりの女性に声をかけなければならない焦燥や寂しさ、なんや知らんミソジニーがあることはわかる、しかしその出処はとなると、とたんに霞がかかってしまう。それは「僕」のことについてほとんど書かれていないことによるのだろう。どんな仕事してるのかも、なんでそんな良いとこ住めてるのかも。ただ最後の方で声をかけることの衝動が母恋らしいことは書かれているけれど。著者は路上ナンパ講習をしていたこともあるようで、してみるとナンパ学のバイブルみたいなものなのかなと、思った。2021/03/18
re;
19
『縁は苦、苦は縁』縁あった人に深く関わろうとすれば、その苦も深くなる。その苦に向き合えないと、結局その縁とも向き合えず、いつの間にか疎遠となっていく。けれど、結局新たな縁で躓くのは同じような苦で、逃げても逃げてもそれは不思議とついて回る。それに気づいた時にそばにいてくれた人は貴重な人だ。そして向き合うつもりになれたのは、通り過ぎてきた過去のご縁のお陰だ。無駄な出会いなど一つもない。今ならそう思える。2019/12/14
小鈴
18
読んでいないのに感想を書くのはご法度のような気がしますがメモとして記録しておこう。帯の「ナンパは自傷」という言葉は本質を突いていると思いました。先ほどのマンぺーも知人もナンパにはまるのは目標を失ってからです。本人達は楽しくナンパしているだけなんでしょうけれど、男性の言葉にできない心の傷はナンパという形で癒されていく側面があります(女には迷惑な面もありますがw)。いきすぎると性依存症に陥っていくパターンもあります。「ナンパは自傷」という言葉のわかりみが深すぎで、この本を未だに読んでいません。帯文は難しいw。2021/07/01
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