内容説明
『「国語」という思想』(サントリー学芸賞)以来11年の思考を集成した、渾身の文学・政治論。境界を生きる人々の声に耳を澄まし、民族差別の「いま」を問いなおす。
目次
序―世界の関節を脱臼させる方法
1 文学者たちの終わりなき彷徨(アジアの植民地から読むアルベール・カミュ;虚無から夢へ―『狂躁曲』をめぐって;ことばの深淵より―李良枝への鎮魂 ほか)
2 人間にとって自由は「重荷」か?(「雑居」への恐怖―近代日本の他者認識;民族差別と教育―ステレオタイプと「間の存在」;戦争という罠―現代日本の精神土壌 ほか)
3 越境という思想を辿りなおす(境界線上の知性―アイザック・ドイッチャー『非ユダヤ的ユダヤ人』;関係項としての「日本」―李孝徳『表象空間の近代』;「非戦」の連鎖―山室信一『日露戦争の世紀』 ほか)
著者等紹介
イヨンスク[イヨンスク]
韓国全羅南道順天市生まれ。延世大学校文科大学卒。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。一橋大学大学院言語社会研究科教授。専攻は社会言語学。前作『「国語」という思想』(一九九六)でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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