内容説明
消えゆく下町を見つめてきた著者が、変化の激しい東京を一歩離れ、「旅」に出た。向かうは、千葉・埼玉・神奈川など東京近郊16の町だ。船橋で太宰の旧居跡を訪ねる。市川で荷風晩年の足跡をたどる。犬吠埼で新珠三千代に思いをはせ、本牧で野良猫を眺めてビールを一杯…。観光地めぐりだけが旅の醍醐味ではない。身近にも時代の光と影が交差する場所がある。平凡だからこそ記憶したい風景がある。心の隠れ里をさがし求める町歩きエッセイ。
目次
磯の香にひかれて歩く漁師の町「船橋」
ローカル鉄道に揺られ、川べりを歩く「鶴見」
近未来都市と田園風景が共存する町「大宮」
下町の匂いが残る本当の横浜「本牧」
手賀沼と利根川、水と暮す町「我孫子」
荷風晩年の地、寺と緑と川の「市川」
歴史に消えた風景の幻が甦る町「小田原」
ローカル鉄道と漁港の町「銚子」
京急大師線沿線、工場街を歩く「川崎」
「基地」と「日常」が溶け合う町「横須賀」
横浜の裏町、「寿町」「日の出町」「黄金町」
鉄道の思い出が残る、かつての軍都「千葉」
二つの川の恵み豊かな人形の町「岩槻」
緑と太陽と潮風の町「藤沢」「鵠沼」
相模川、水奈川。川べりの町「厚木」「秦野」
京浜急行終点、海辺の隠れ里「三崎」
著者等紹介
川本三郎[カワモトサブロウ]
1944年、東京生まれ。東京大学法学部卒業。『大正幻影』(ちくま文庫)でサントリー学芸賞、『荷風と東京』(都市出版)で読売文学賞を受賞。『林芙美子の昭和』(新書館)で桑原武夫学芸賞、毎日出版文化賞を受賞
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感想・レビュー
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