内容説明
ブルースが作りあげてきた理念とは何か―それをブルース/R&Bの歴史に沿って改めて考えてみようというのが、本書の大きなテーマのひとつである。著者は、ブルースとは西洋社会においていち早く確立された個人主義の「負の価値」を、最も鋭く描き出した表現形態である、として、第3章以降では、ブルース/ジャズ/R&Bといった音楽の歴史に沿い、ブルース論、ジャズ論、R&B論といったものを時には展開し、同時に音楽の流れがわかるようにも工夫している。
目次
1 新たな視点からブルースを見る
2 奴隷制の再検討
3 ダンス音楽をめぐって
4 ブルースの誕生から定型化へ
5 ジャズ/クラシック・ブルース
6 ハード・タイムズ以降のブルース
7 ジャズ/エンタテイナー/ブギ・ウギ
8 都市におけるR&Bの誕生
9 戦後のダウン・ホーム・ブルース
10 都会で育っていったR&B音楽
11 ロックン・ロールの時代とブルース/R&B音楽
著者等紹介
鈴木啓志[スズキヒロシ]
1948年函館市生まれ。1971年横浜国立大学経済学部卒業。1968年に日暮泰文とともにブルース&ソウル・ミュージック愛好会を発足させ、このファン・クラブ雑誌が「ブラック・ミュージック・レヴュー」の前身となった。現在、ブルースやソウルを中心に評論活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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