出版社内容情報
「心理的安全性」が確保された学びのコミュニティを目指すすべての先生へ。
SELと教科学習を統合する最新アプローチ
最近、巷で「心理的安全性」という言葉をよく耳にします。一人ひとりが自分らしく居られ、安心して率直に自分の考えや意見を表明でき、それを周囲の仲間に受け止めてもらえる状態を指します。教育界でも、この心理的安全性と学習効果の相関性が注目されつつあります。教育現場に立つ一人として、教師の在り方や教育実践の手法がガラリと変わるような転換期を迎えていると感じます。とはいえ、情熱をもって仕事に向き合っている教師ほど、こうした教育界の新しい動きに直面し、その重圧を受けて立ち竦んでしまっているのではないでしょうか。
本書は、そんな教師をエンパワーする二つの魅力をもっています。一つ目は、私たち教師自身の意識と実践の変革が、同僚たちとの良好でサポーティヴな関係性や健全で安心安全な職員室の創造につながるということ。私たちが毎朝、ポジティヴな気持ちで職場に向かう姿こそ、いま最も生徒に必要なことなのかもしれません。
二つ目は、教室の中で、真に意義のある学びを届け、生徒たちが自ら豊かな学びの旅へと向かっていけるような、具体的で即効性のある教育実践が豊富に紹介されていること。本書のタイトルにも含まれる「エンゲージ」には、「夢中で取り組む」という意味の他に「結びつける・統合する」というニュアンスも含まれます。SEL(感情と社会性を育む学び)と教科学習を、心と知性を、教える内容と背景を統合し、生きるうえで大切な感覚を養う教育的アプローチが「エンゲージ・ティーチング」です。
生徒が目的に満ちた意義深い人生を送れるようにと願い、日々腐心されている先生方に、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。生徒たちが自らの個性やエージェンシー(主体性)を発揮し、伸びやかにそれぞれの学びに向かっていける、そんな教室が日本の中にたくさん増えることを願って。(協力者 佐野和之/かえつ有明中・高等学校副校長)
内容説明
教師をエンパワーする魅力的な本。SEL(感情と社会性の学習)と教科学習を、心と知性を、教える内容と背景を統合し、生きるうえで大切な感覚を養う教育的アプローチ。
目次
第1章 エンゲージ・ティーチング
第2章 おおらかで広い心を育む
第3章 自己を見つめる
第4章 「今、ここ」に集中する
第5章 お互いを尊重しあうための一線を設ける
第6章 感情の器を大きくする
第7章 「学びの旅」―クラスですべてを統合する
第8章 旅そのものが目指す場所である
著者等紹介
ウィーヴァー,ローラ[ウィーヴァー,ローラ] [Weaver,Laura]
教育非営利組織「Passage Works Institute」の共同代表。SELと学力向上を統合して学びのコミュニティーをつくる画期的なアプローチ「Reflective and authentic teaching approach(ありのままを捉え、振り返って深く考え、教えることに真摯に向き合うアプローチ)」の開発者
ワイルディング,マーク[ワイルディング,マーク] [Wilding,Mark]
教育非営利組織「Passage Works Institute」の共同代表。就学前教育から小中高等学校までのカリキュラム、教員研修などを開発するほか、多数の講演、講義、ワークショップを行っている
高見佐知[タカミサチ]
ハワイ州教育局インターンを経て、米国大学院で学校管理運営を学ぶ。京都大学学際融合教育研究推進センター(地域連携教育研究推進ユニット)特任研究員。(公財)未来教育研究所研究開発局長
内藤翠[ナイトウミドリ]
岡山大学文学部言語文化学科(現・人文学科)卒業。英語学・英米文学専攻。小中学校で非常勤講師として勤務の後、現在は京都先端科学大学附属中学校高等学校外国語科教諭
吉田新一郎[ヨシダシンイチロウ]
本書が、過去1年半に出したSELの本としてはまったく焦点の当て方が異なる4冊目になります(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。