内容説明
ラテンアメリカといえば、政情不安、経済的混乱、暴力・無秩序といったネガティブな側面が想起される。実際にこの地域の諸国が対応を迫られている問題は多岐にわたり、深刻さを増しているものも多い。しかし、同地域が和平、民主主義、貧困削減、人権保護、多様性の尊重、環境保全など、今日「地球規模の課題」と称される諸問題に真摯に向き合い、ときに先駆的な挑戦を試みていることはあまり知られていない。その果敢な取り組みとダイナミズムを知ることは、日本に暮らす私たちが示唆的な何かに気づき、自らのあり方を振り返るきっかけになるのではないか。本書はこのような問題意識にもとづいている。
目次
地球規模課題とラテンアメリカ
核軍縮・核兵器廃絶 非核兵器地帯の創設と世界の軍縮への貢献
環境保全・エネルギー 地球環境政治におけるラテンアメリカの役割―世界に発信する二一世紀の持続可能な開発
市民社会・社会運動 草の根から世界を変える―ブラジルの社会運動と世界社会フォーラムにみる国際的連帯
LGBTの権利保障 セクシュアリティの多様性をめぐるラテンアメリカ社会の変容
先住民の取り組み グローバル世界を生きる先住民―権利回復から自己表象へ
教育開発 教育の拡充と平等化を目指す就学支援の取り組み―格差是正と質保証へ向けて
貧困と社会保障 貧困問題への取り組み―条件付き現金給付プログラムの成果と課題
宗教と社会活動 貧しい人々のための優先的選択―社会問題に取り組むアルゼンチンのカトリック教会
真実・正義・記憶・和解 移行期正義の取り組みとグローバルな課題―過去とどう向き合い、将来を構築していくのか
紛争と平和 対話による和平の模索―数々の和平プロセスを経験するコロンビアの事例から
被害者家族の連帯 石を動かし、国を動かす―メキシコ麻薬戦争の行方不明者を探す女性たちのたたかい
国際的な地域間協力 域内協力を軸とするラテンアメリカの南南協力と南南外交
政治体制と経済発展 民主主義と資本主義との複雑な関係―ラテンアメリカの経験に学ぶ
著者等紹介
畑惠子[ハタケイコ]
早稲田大学名誉教授。メキシコ現代史、ラテンアメリカ地域研究専攻
浦部浩之[ウラベヒロユキ]
獨協大学教授。ラテンアメリカ地域研究、ラテンアメリカ政治・国際関係専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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