内容説明
ギレルモ・デル・トロ監督 映画化!
見世物小屋、タロット、降霊術…
野心的な奇術師の魂の彷徨を描く異形のカルト・ノワール!
スタン・カーライルは、カーニヴァルの巡回ショーで働くしがないマジシャンだ。だが彼には野心があった。いつの日か華々しい成功と大金を掴んでみせる。同じ一座の占星術師ジーナと関係をもち、読心術の秘技を記したノートを手に入れたスタンは、若く美しいモリーと組んでヴォードヴィルへの進出を果たすが……タロットの示す運命とファム・ファタールに導かれて、栄光と絶望の果てに男がたどり着く衝撃のラストとは。特異な世界観で魅了する闇色のカルト・ノワール、登場! (解説・霜月蒼)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
84
こ、これは!ビザールだかノワールだかは私には分からないけど、とにかくすごい面白かった!!「ギレルモ・デル・トロ監督映画化!見世物小屋、タロット、降霊術…」と帯を見ただけの予備知識無しで勝手にダークファンタジーだろうと決めつけて読んでみたら、ホント、個人的に無茶苦茶ハマる正当な犯罪小説だった。なんで今までこの本の存在に気づいてなかったのか!?(オンデマンド版は前から?あったみたい)今回一般の私らにも手に取りやすい文庫で出してくれた扶桑社さんには感謝しかありません。しつこいようですが、面白い本をありがとう。2021/01/09
maja
22
カーニヴァル巡回ショーの見世物小屋で働くスタン、限りない彼の野心は手段を選ばず、さらなるその先へと向かっていくが果して何を手にしているのか。各章に置かれるタロットカードの説明が意味深気で逃れられない枷をはめられるよう。野心の裏側に見え隠れする彼の空虚な姿が痛く、囚われてあがく姿の生々しさが怖い。初出は1946年とか。なんだか凄い。ギルレモ監督版と1947年映画版とあわせて読んだ。2023/05/14
hikarunoir
12
再映画化でなく原作の映画化と認識。映像との違いは、時代的に過激な言葉で全編性的オブセッションが貫き、語り手の精神破綻が文体に漏れ出ている点。2023/04/07
De PalmaX
7
めちゃくちゃ面白かった。降霊会のシーンは受ける側視点なので、イカサマだと分かっていてもハラハラドキドキする。マジックの種も仕掛けもある、けどそれが分からない!というのは映画も同じだなと思う。デル・トロがその辺を意識してるかは分からんけれど。楽しみ~!!2022/03/11
一柳すず子
7
1946年に書かれたノワール。主人公スタンは巡回カーニバルから霊界商法に手を染めて、運命の悪女に出会ってしまう。最後の痛烈な結末はお見事。巡回カーニバルの皆は意外といいやつが多かった。2021/01/30