出版社内容情報
産業発展の進むアジア諸国と進出日本企業の現状を踏まえつつ、経済グローバル化を地理的・空間的に読み解く画期的入門書。経済学・経営学・地理学の領域にまたがる産業立地論は、立地場所の特性など地理的・空間的な側面に注目しながら、企業や経済社会に関する諸問題を考察するユニークな学問である。筆者はこの産業立地論を専門としており、その立場からアジアにおける経済のグローバル化について研究を行っている。
経済のグローバル化とは、生産や消費などの経済活動が国境を越えて広がっていくことを指す。かつては、アジアにおける経済のグローバル化は日本や日本企業がリードしていた。事実、日本企業がアジア諸国(日本もアジア諸国だが、便宜上、日本を除いている)へと進出することで、アジア諸国の産業発展も促進されてきたという歴史的な背景がある。
近年では、アジア諸国における産業発展はさらに目覚ましく、現地企業も日本企業の手強いライバルとして台頭してきた。また、日本企業のアジア進出も、様々な産業分野においてこれまで以上に拡大している。その結果、日本とアジア諸国における産業立地の状況は劇的な変化を遂げている。
本書では、国際経済・国際経営の場面で活用される「国際産業立地論」について解説するとともに、アジアにおける経済のグローバル化を地理的・空間的な側面から論じている。専門書に分類される内容ではあるが、タイトルに「招待」と銘打っているように、専門知識がなくても十分に理解できるように工夫を凝らした。国際経済・国際経営(および経済グローバル化のなかでの地域経済・地域経営)に関心のある学生や社会人の方々にも読んでいただけるよう配慮したつもりである。本書を通じて、国際産業立地論という学問の面白さが伝わればと願っている。(すずき・ようたろう)
鈴木洋太郎[スズキヨウタロウ]
著・文・その他
内容説明
劇的な変化を遂げている日本とアジア諸国の産業立地。地理的・空間的な側面から日本企業のアジア進出戦略を探る。
目次
第1部 国際産業立地論の視点(近年における国際産業立地の特徴と動向;国際産業立地論のキーワード)
第2部 国際産業立地の理論的検討(多国籍企業論の検討;産業立地論の検討)
第3部 国際産業立地の実態分析(国際産業立地論の分析フレームワーク;日本企業のアジア立地行動のダイナミズム;アジアにおける経済のグローバル化と日本の産業発展)
著者等紹介
鈴木洋太郎[スズキヨウタロウ]
1960年生まれ。大阪市立大学大学院経営学研究科・商学部教授。九州大学大学院経済学研究科経済工学専攻修了、博士(経済学)。専門分野は、産業立地論(国際産業立地研究)。主な研究テーマは、「多国籍企業の立地展開と国際分業」、「グローバル化のなかでの関西・大阪の産業集積」、「日本企業立地先としてのアジア」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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