生者の国―デンマークに学ぶ全員参加の社会

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生者の国―デンマークに学ぶ全員参加の社会

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  • サイズ A5判/ページ数 507p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784794808745
  • NDC分類 302.389
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「知識は力なり」―デンマークを徹底解剖する画期的文化論!
本書の編集作業が佳境に入った3月、東日本を巨大地震が襲った。今後の復旧・復興がどうなるのかと、当事者でもない私が思案していた時、ふと思い出して『吉里吉里人』(井上ひさし・1981年)を読み直すことにした。その理由は、もちろん復興に向けて参考になると思ったからである。当時は「売れているSF小説」といった程度の読み方しかしていなかったため、正直に言えば咀嚼しきれなかった。しかし、改めて読んでびっくりした。何と、本書でも紹介されているコペンハーゲンの特別自治区である「クリスチャニア」に関する記載があったのだ。当時は、クリスチャニアどころかデンマークのことすら日本人にはあまり知られていない時代である。井上氏の博識ぶりには敬服するばかりである。さて、そのデンマークといえば、現在は福祉国家、原発のない環境・エネルギー先進国、そして民主主義の質が世界で一番高い国として有名である。本書は、アメリカの社会学者・人類学者であるボーリシュが職業的関心からデンマークに実地調査に出掛け、フォルケホイスコーレ(民衆大学)において一年間を過ごす中でこの国の近代化の歴史についての知見を深め、国づくりにおいてはこの国の歴史から学ぶべきことがあるという確信に至った経緯を著したものである。デンマーク人のどのような特性が、政治的抑圧や社会的暴力とは無縁のまま近代化を達成することにつながったのか―著者のこの関心を軸に、話題は18世紀後半の農地改革の経緯から、国民的詩人・歴史家でありフォルケホイスコーレの創始者でもあるグルントヴィの生涯、そして19世紀半ばのフォルケホイスコーレ誕生の時代へと展開していく。また後半では、デンマーク人の価値観や資質、現在のようなデンマーク社会がつくられた歴史的背景、さらにその発展に寄与したグルントヴィの役割が紹介されている。『吉里吉里人』と違って小説ではないが、著者はまるで物語のように筆を走らせている。特に、デンマーク人の知識力、そして地に足をつけた生き方に魅了されたことを記述するくだりでは、最先進国であるアメリカの人とは思えない文章表現を展開している。「地域づくり」が叫ばれている今日の日本が、本書から学ぶところは多い。(監訳者 福井 信子)

目次

第1部 序説(研究の性格と目的)
第2部 曇ったイメージ、希望に満ちた現実(外国が抱くデンマークのイメージ;現代デンマークの概観)
第3部 フォルケホイスコーレの起源(暴力なき革命―18世紀後半のデンマーク農地改革;デンマークのフォルケホイスコーレの起こり)
第4部 デンマーク人の国民性に見るいくつかのテーマ(民主主義と平等主義;バランスと節度;ヒュゲ(hygge)、祝いの技法
福祉と社会的責任
鏡に映った虚像―デンマーク人の国民性の裏面)

著者等紹介

ボーリシュ,スティーヴン[ボーリシュ,スティーヴン][Borish,Steven M.]
1943年フィラデルフィア生まれ。ミネソタ州ノースフィールドのカールトン・カレッジで社会学・人類学のBA(学士)を取得。2年間、平和部隊の一員としてアフリカ東部のソマリア共和国で教師を勤める。1年間、フィラデルフィアのスラム街の学校で5年生を教える。イスラエルの農業共同体キブツにおいて、文化が教育の過程に及ぼす影響を研究。現在は、カリフォルニア州ヘイワードのカリフォルニア州立大学人間発達学科に在職。同州サンラファエルのドミニカ大学においても比較社会文化研究コースを担当

難波克彰[ナンバカツアキ]
1947年生まれ。東海大学総合教育センター教授。現代文明論研究センター主任。デンマークのフォルケホイスコーレ、グルントヴィの研究に従事。1997年、2001年にはデンマークでホイスコーレの学生に意識調査を実施、社会教育学会や関係論文集に発表

福井信子[フクイノブコ]
1954年生まれ。東海大学文学部北欧学科教授。専門はデンマークの言語と文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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