出版社内容情報
西洋近代の一方向的な時間ではなく,神話的な無時間の流れの中で,猥褻で暴力的でエネルギーに満ちあふれた文体が爆発。現代ブラックアフリカ小説の怒りと絶望と祈りの世界。
『Le Commencement des Douleurs 』 この小説に示される自然と人間の照応は、日本の甘ったるいエコロジストの思い描くような平和なものではない。自然は人間へのやさしい眼差しをもっていない。人間を痛めつける理不尽で呪いに満ちた自然である。ソニー・ラブ=タンシの描く自然と人間の照応は、呪いに満ち、魔術にあふれている。自然が原初の生命を持っている。地球が、自然が、人間が、本来のエネルギ-と暴力性をもっている。
内容説明
舞台はアフリカの架空の地方。そこには、選ばれた老人が少女にキスするという儀式があった。ところが、あろうことか、キスを受けた少女バノス・マヤが老人オスカル・アナに恋してしまう。すると、神々はその不埒なキスに怒り、自然を通して怒りを表明しはじめる。天変地異が次々と起こり、奇怪な出来事が続く。天に穴があいて、空が落ちそうになってくる。村人は、二人を結婚させて、神々の怒りを鎮めようとするが、オスカル・アナは理屈をつけて応じない。ますます天は荒れ狂い、地は揺れ動く。さて、この荒唐無稽なドタバタ騒ぎの顛末は…。人間の愚かさへの怒り、絶望、祈りを特異な文体で爆発させた、現代ブラックアフリカ小説の挑戦的文学形式。



