内容説明
毎年、複数の小説賞受賞者を誕生させている著者が書き下ろす時代考証シリーズ第二弾!圧倒的な知識量に、前半の「立証」で驚愕し、後半の「言葉」で唸る。
目次
立証(謙信、信長と秀吉(信長は、なぜ安土を拠点にしたのか;知られざる交易大名、安東・蛎崎一族 ほか)
秀吉は、なぜ朝鮮遠征を行ったのか?(日本最大の鉱山大名、豊臣秀吉)
時流に乗り遅れた大名、伊達政宗)
言葉(時代劇に使えない言葉(すけこまし;四六時中;天領;日本海と太平洋 ほか))
著者等紹介
若桜木虔[ワカサキケン]
静岡県生まれ。静岡県立静岡高等学校、東京大学農学部卒業。同大学院博士課程修了。大学在学中より執筆活動を開始(処女作『アンドロイドの日のために』はのちに大幅加筆、『アンドロイド ジュディ』と改題されて出版)。1977年『小説 沖田総司』でデビュー。SF、アニメなどのノベライゼーション、ゲームブック、ミステリー、時代小説、漫画原作、実用書(速読術、視力回復トレーニング、小説創作指南、英単語記憶術)などを多く執筆するほか、架空戦記のジャンルでは他数名との共同筆名として「霧島那智」を用いる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クリママ
41
前半には戦国大名の考察が書かれている。木曽三川の治水工事を薩摩島津家へ丸投げした結果、武田軍、北条軍が強かった理由、奥羽もアイヌ民族の支配地であったことなど、そうだったのかと唸り、秀吉の出自など奇想天外のように思われる作者の考えも、あるかもと思ってしまう。新たに史書が見つかれば、教科書さえ書き換えられる歴史。深い世界だと思った。後半は、前作と同様に言葉等のNG集。以前、江戸時代は掛布団を使っていなかったと知ったものの、ドラマなどでよく見かけ不信に思っていたが、やはり掻巻で掛布団はなかったとのことだった。2025/05/03
優希
39
前半は信長、秀吉、家康、政宗の新たな人物像が描かれ、後半がタイトル通りの内容でした。時代ものの時代考証に激しくツッコミを入れているのが面白かったです。また、様々な仮説を色々な事実から検証しているのも興味を持ちました。時代ものに触れるときに意識してみるのも面白いでしょうね。2025/03/10
スプリント
12
時代物の作品をつくるには時代考証が大事ですが 半端ではない知識が必要ですね。2019/12/22
kaz
2
前半では、信長、秀吉、家康、伊達政宗の新たな人物像を提示、後半では、タイトルどおり時代劇や時代小説の時代考証に厳しく突っ込みを入れている。「信長軍は実は白兵戦に弱く、信長は臆病だった」「秀吉は忍者ではなかったか」等々の仮説を様々な事実で論証している。野菜や道具などが日本に渡ってきた時期、意外と新しい言葉等、時代劇を見るときに意識してみると楽しいかも。 2019/12/08
しまめじ
1
前の本も最高に面白かったけれど今回はさらに面白い!前半は作家の考える歴史の新しい見方なんですが、これが結構リアルにありそうで、実際それを裏付ける実証が出てこないと難しい部分もありつつも、これはアリではないか?という思考の進め方が非常に合理的でスリリング。秀吉が土木技術を持った間者ではないのか、という意見には確かに納得出来る部分がありますね。本郷先生の話と似てるかも。時代劇を見ていて「んん?」と引っかかるいい回しはやっぱりその時代になり言い方なんだなと。ちょっといた言い回しで醒める小説、あるよね…2019/10/05