内容説明
非常の時代が託せる男、九州日田代官窪田治部右衛門の決断。肥後の天衣無縫の快男児は勘当されて江戸に下り川路聖膜に文武を学び何時しか機略縦横の英才に変貌、山岡鉄舟と肝胆をあい照らした。維新前夜の激流は九州日田十六万余石の天領を支配する代官に彼を押し上げるが、長州征伐で高杉・大村の武略に小倉藩が大敗すると音をたてて崩れ去る…政が死守せねばならない最後のものは民の命なり…討幕・佐幕を超越して泰然と嵐に対決する反骨の名代官。
目次
浪士取締 窪田治部右衛門
生い立ち
川路聖謨の支援
激震を踏みしめて立つ代官
徳川最後の代官