内容説明
ソ連邦崩壊1年前の1990年に、数々の賞に輝くテレビプロデューサーの著者はモスクワからサハリンまでシベリアを横断した。その100年前、作家チェーホフがたどったのと同じルートを行き、テレビドキュメンタリー番組を制作するためであった。演出は和田勉氏。折しもソ連はペレストロイカの真っ最中だったが、外からは伺い知れない混乱と頽廃の様相を呈していた。本書はその時の取材メモをもとにしたソ連崩壊直前の証言録である。
目次
モスクワ(注文を歓迎しないレストラン;昼休み時間の怪 ほか)
ヤロスラブリとキネシマ渓谷(二つある同名の駅;開かない列車の売店 ほか)
クラスノヤルスク(取材された取材スタッフ;困難な頭の切り替え ほか)
イルクーツク(空港での不思議な「儀式」;流刑の町イルクーツク ほか)
バイカル湖(バイカルに始まるシベリアの詩;先住民はどこに ほか)
ブラゴベシチェンスク(日本の女;夢のまた夢の懸け橋 ほか)
アムール川(交渉次第の川下り料金;アムール川に恋したチェーホフ ほか)
ハバロフスク(喫茶店の大学生;来なかったエキストラ ほか)
サハリン(地の果てサハリン;残っていた日本 ほか)